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経営者向け(更新: 2026/10/6)

特定技能1号は転職できる?建設会社の定着対策|2号化で囲い込む【2026】

特定技能の外国人は転職できるのか、建設会社の経営者向けに一次資料で解説。出入国在留管理庁データでは1号全体の22.4%が転職、建設は他分野より低い傾向。転職の手続きと、2号化(在留更新上限なし)で長期定着させる囲い込み策まで。

3行まとめ

  • 特定技能は技能実習と違い「転職できる」。出入国在留管理庁データでは1号全体の22.4%が転職を経験
  • ただし建設は、転職率の高い農業・漁業・飲食料品製造業より低い傾向。同一分野の転職でも在留資格変更許可申請が必要
  • 定着の本命は2号化。在留更新の上限がなく、毎年の固定費(受入負担金・支援費)も消えるため、長期で囲い込める

「せっかく育てた外国人材に辞められないか」——建設会社の経営者が特定技能で一番気にする点です。この記事では、特定技能の転職の実態を出入国在留管理庁のデータで確認し、建設会社が取れる定着策を整理します。

特定技能は転職できる(技能実習との違い)

まず前提です。技能実習は原則として転職できませんが、特定技能は同じ分野の範囲内で転職が可能です。「特定技能なら一生うちにいてくれる」という前提は誤りで、本人の意思で他社へ移ることはできます。

実際どれくらい転職している?

出入国在留管理庁のデータ(2021年1月〜2024年末)では、特定技能1号の転職実態は次のとおりです。

項目数値
転職を経験した割合(全体)22.4%
そのうち転職1回84.6%
転職率が高い分野農業 32.9%/漁業 28.1%/飲食料品製造業 27.1%

全体ではおよそ4〜5人に1人が転職しています。一方、建設は転職率の高い上位分野には入っておらず、相対的に低い傾向です。つまり「建設だから即流出する」わけではありませんが、「特定技能だから絶対に辞めない」わけでもない、というのが実態です。

出典:出入国在留管理庁 特定技能制度(特定技能外国人の転職状況に関する公表データ)

転職の手続き — 同一分野でも届出だけでは済まない

特定技能の外国人が転職する場合、転職先の業務が今の在留資格で認められた範囲内である必要があります。建設どうしの同一分野の転職なら新たな試験は不要ですが、出入国在留管理庁への在留資格変更許可申請が必要です。会社が変わるたびに手続きが発生する、と理解しておくと安全です。手続きは行政書士にご相談ください。

給料はいくら払えばいい? — 定着の土台になる待遇

(2026年10月6日更新:給料の法律上のルール・建設業の賃金データ・2号で賃金が上がる理由を追加)

特定技能の外国人の報酬は、同じ仕事をする日本人と同等以上でなければなりません。これは在留資格の許可要件で、「外国人だから安く雇う」ことは認められません。

出典:出入国在留管理庁 特定技能制度(報酬は日本人と同等額以上が基準)

建設業の賃金相場(厚生労働省データ)

日本人を含めた建設業の賃金の水準は、厚生労働省 賃金構造基本統計調査(令和6年)で確かめられます。建設業の所定内給与(月額)は次のとおりです。

区分所定内給与(月額)
全国平均(建設業)約352,600円

所定内給与は、残業代と賞与を含まない金額です。実際の年収には、賞与と残業代が上乗せされます。都市部ほど高く、地方ほど低い傾向があります。

出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査(令和6年)。都道府県別データはUKARUが集計。

2号になると賃金が上がる理由

「同等以上」が要件なので、特定技能の外国人にもこの水準を払う必要があります。そのうえで、1号から2号へ熟練化すると、賃金は上がる傾向にあります。理由は2つです。

理由中身
2号は熟練者特定技能2号は班長・職長レベルが対象。担う責任が上がる分、賃金も上がる
CCUSで昇給の根拠を作れるCCUS(建設キャリアアップシステム)の能力評価レベルで昇格させると、昇給の客観的な根拠になる

賃金を5%以上上げると、CCUS等活用促進コース助成金(16万円/人・上限160万円)も狙えます。要件は2号化のコスト試算(助成金の取り方つき)にまとめています。

『同等以上』は守りつつ、昇給は仕組みで設計する

報酬を日本人と同等以上にするのは、守るべき最低ラインです。その先は、CCUSのレベルと特定技能2号化を「昇給の階段」として設計できます。レベル判定→昇給→助成金という流れに乗せれば、人件費の増加分を一部取り戻しながら、定着を強められます。

定着の本命は「2号化で囲い込む」

転職リスクを構造的に下げる一番効く手は、中核人材を特定技能2号へ引き上げることです。理由は4つあります。

  • 在留が続く:2号は在留更新の上限がなく、長期で働き続けられます。
  • 家族帯同できる:家族と暮らせることが、その土地・その会社に留まる強い理由になります。呼べる家族の範囲は2号になると家族(配偶者と子)を呼べるにまとめています。
  • 会社の固定費も減る:2号化すると、その人材分の受入負担金(年15万円)と支援費が消えます。詳細は1号と2号の年間コストの違い(2号化のコスト試算)で解説しています。
  • 賃金を上げる道筋がある:2号は班長・職長級の熟練者で、CCUSのレベルと合わせて昇給の根拠を作れます(上の「2号になると賃金が上がる理由」)。
『辞めさせない』ではなく『辞める理由を消す』

転職は給与・人間関係だけでなく「この先ここで長く働けるのか」という不安からも起きます。班長候補に「2号を取れば家族も呼べて、ずっと働ける」という道筋を早めに示すこと自体が、最大の定着策です。試験対策の伴走は、その約束を実現する手段になります。

特定技能2号の制度・要件は建設会社向け:社員を2号にする全体の流れ、受入企業が払う固定費の全体像はJAC受入負担金とはにまとめています。

社員を受からせた会社の実例は合格した社員の会社が作った「就業時間中の2週間」、1回で受からなかった社員への対応は不合格だったときの結果通知書の読み方と再受験にあります。2号に求められる日本語の要件は特定技能2号の日本語要件(B1相当)と始まる時期、2027年に始まる育成就労で転籍がどう変わるかは育成就労制度と特定技能2号の人材戦略、建設の2号で働く人の数は建設の2号の在留者数(2026年6月末)で扱っています。

UKARUは、特定技能2号の試験対策に加えて、合格後も母国語で学び続けられる学習アプリです。社員一人ひとりの進捗を経営者が管理画面で把握でき、1号として受け入れた人材を計画的に2号へ引き上げる土台になります。10言語に対応し、現場の負担を増やさずに導入できます。

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よくある質問

Q. 特定技能の外国人は転職できますか? できます。技能実習と違い、同じ分野の範囲内で本人の意思により転職が可能です。

Q. どれくらいの人が転職していますか? 出入国在留管理庁のデータ(2021年1月〜2024年末)では、特定技能1号全体の22.4%が転職を経験しています。建設は転職率の高い分野には入っておらず、相対的に低い傾向です。

Q. 同じ建設どうしの転職でも手続きは必要ですか? 同一分野なら新たな試験は不要ですが、出入国在留管理庁への在留資格変更許可申請が必要です。

Q. 転職を防ぐ一番効く方法は? 中核人材を特定技能2号へ引き上げることです。在留更新の上限がなく家族帯同も可能で、会社の固定費も減るため、長期で定着しやすくなります。

Q. 特定技能の外国人は日本人より安く雇えますか? できません。報酬は、同じ仕事をする日本人と同等以上であることが在留資格の許可要件です。

Q. 建設業の給料相場はどれくらいですか? 厚生労働省 賃金構造基本統計調査(令和6年)では、建設業の所定内給与は全国平均で月約352,600円です。残業代・賞与は含みません。都市部ほど高くなります。

Q. 特定技能2号になると給料は上がりますか? 上がる傾向にあります。2号は班長・職長級の熟練者が対象で、責任に応じて賃金も上がります。CCUSの能力評価レベルで昇給の根拠を作れます。


この記事は出入国在留管理庁・厚生労働省の公表資料にもとづき、UKARUが整理・解説したものです(2026年6月時点。給料の節は2026年10月6日に追加)。制度・統計の最新情報は必ず出入国在留管理庁と厚生労働省 賃金構造基本統計調査でご確認ください。

大山 隆弥志UKARU代表 / 建設業界20年

建設業界で20年の現場経験を持ち、数多くの外国人技能実習生の指導にあたってきた。現在はUKARU代表として、建設分野の特定技能試験対策をDXし、外国人が日本で長く活躍できる環境づくりに注力している。

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