特定技能1号から2号への移行コストを建設会社の経営者向けに完全試算。義務的支援コストを最適化し、自社教育へ投資シフトする際のROIを実数値で解説。回収期間8-10ヶ月、10年で350万円の原資を生む仕組みを公開します。
建設業界で20年の現場経験を持ち、数多くの外国人技能実習生の指導にあたってきた。現在はUKARU代表として、建設分野の特定技能試験対策をDXし、外国人が日本で長く活躍できる環境づくりに注力している。
著者について詳しく→3行まとめ
- 特定技能1号→2号への移行は社員1名あたり初期12-25万円の投資。在留資格変更により義務的支援コストを最適化し、その分を教育・定着支援へ投資シフトすることで、実質的な投資回収は8-10ヶ月で可能。
- 助成金(CCUS等活用促進コース、最大160万円)と組み合わせれば、実質マイナスコストで人材定着が可能
- 行政書士に丸投げで20万円、自社完結なら4-10万円。試験までは自社・入管書類は行政書士が最適バランス
「特定技能2号、結局いくらかかるの?」「教育投資の回収期間は?」「ROIは?」
建設業20年・現場経験のある経営者として、この記事では社員1名を特定技能1号から2号に上げるまでの全コストを、経営判断ができるレベルで実数値で示します。総論は特定技能2号 建設分野 完全ガイド(経営者向け)に整理してありますので、本記事はコスト試算に絞って深掘りします。
まず数字だけ並べます。
| 項目 | 金額 | |---|---| | 初期投資(社員1名あたり) | 12〜25万円 | | 自社完結ルート | 4〜10万円 | | 年間コスト最適化(義務的支援から教育へ) | 約36万円/人 | | 投資回収期間 | 約8〜10ヶ月 | | 5年雇用での累計リターン | 約170万円/人 | | 10年雇用での累計リターン | 約350万円以上/人 | | CCUS等活用促進コース 助成金(要件達成時) | 16万円/人(上限160万円) |
→ 初期12-25万円投資 → 年36万円の再投資原資を確保することで 8〜10ヶ月で元が取れる計算です。
2027年4月の育成就労制度施行で外国人材の転籍は容易になります。家族帯同が可能になる2号を取らせてくれる会社にだけ、優秀な人材が残ります。コスト試算は判断材料の一つに過ぎず、本当のリターンは「選ばれる会社になる」ポジショニングです。
社員1名を1号から2号にするまでの全費用を、**「行政書士に委託する場合」と「自社で完結する場合」**の2パターンで試算します。
| 項目 | 金額 | 誰が払う | タイミング | |---|---|---|---| | CCUS事業者登録(資本金500-1000万円) | 約24,000円 | 会社 | 1回目(5年更新) | | CCUS技能者登録(詳細型) | 4,900円/人 | 会社 or 本人 | 1回 | | CCUSレベル判定 能力評価手数料 | 3,000円/人(2026年4月から全額支援) | 会社 | レベル3取得時 | | カードリーダー設置(任意) | 数万円〜 | 会社 | 1回 | | JAC評価試験 受験料 | Prometric公式料金を確認 | 本人 or 会社 | 予約時 | | 在留資格変更申請 手数料 | 4,000円/人 | 本人 or 会社 | 入管 | | 行政書士費用(外部委託の場合) | 8万〜20万円/人 | 会社 | 申請時 | | 学習対策費(UKARUなど) | 月数千円〜 | 会社 | 試験前2-3ヶ月 | | 合計(行政書士委託あり) | 約12〜25万円/人 | | | | 合計(自社完結) | 約4〜10万円/人 | | |
意外と知られていないのが、1人目と2人目以降ではコストが大きく変わる点です。
| 区分 | 1人目(初期投資込み) | 2人目以降 | |---|---|---| | 行政書士委託 | 約25万円 | 約15万円(書類雛形が再利用可) | | 自社完結 | 約10万円 | 約5万円(手続きの学習コストが消える) |
→ 班長候補が3-5名いる会社なら、**「最初の1人で経験を積んで、2人目以降を内製化する」**のが最も効率的なROI戦略です。
経営者が最も気になる「年間36万円の再投資原資」の根拠を分解します。
| 区分 | 支援の必要性 | 費用の性格 | |---|---|---| | 特定技能1号 | 必須(法的な義務的支援) | 外部委託による「守り」のコスト(月2-5万円) | | 特定技能2号 | 免除(会社が自前の教育に集中) | 内部教育による「攻め」の投資 |
→ 月3万円 × 12ヶ月 = 年36万円/人 の外部委託コストが、2号化によって自社の人材教育・処遇改善への投資原資に変わります。
これは特定技能2号の最大の特徴で、「2号 = 1号の延長」ではなく「2号 = 自立して現場を任せられる人材」と制度設計されているためです。
10名の1号社員のうち5名を2号化し、その分を教育と処遇に充てた場合のシミュレーション。
| 年次 | 5名分の投資原資(累計) | |---|---| | 1年目 | 180万円(36万円 × 5名) | | 5年目 | 900万円 | | 10年目 | 1,800万円 |
→ 10年スパンで見ると1,800万円規模の教育投資・賃金アップの原資が生まれます。これは新車1台+優秀な現場監督を1人雇える金額に相当し、企業の採用力を劇的に高めます。
2号取得の在留資格変更が許可された月の月末を一つの区切りとして、支援体制を再設計するのが標準的です。登録支援機関との契約内容(解約予告期間など)をあらかじめ確認し、円滑な移行を準備しましょう。
令和7年度から中小建設事業主が対象に拡大されました(以前は事業主団体のみ)。
支給要件:
支給額: 昇格評定+5%以上昇給した技能者数 × 16万円(上限160万円)
→ つまり10人を昇格させ給与5%上げると160万円戻ってきます。班長候補を2号に上げるプロセスとセットで取りに行ける助成金です。
詳しくは厚生労働省公式 CCUS等活用促進コース 助成金見直し概要(PDF)を確認してください。
5名の社員を2号化した場合(1人あたり給与5%昇給を実施)。
| 区分 | 金額 | |---|---| | 5名分の初期投資(行政書士込み) | 75万円(15万円 × 5名) | | 5名分の年間削減効果 | 180万円(36万円 × 5名) | | 助成金(5名 × 16万円) | 80万円 | | 1年目のネット効果 | +185万円(180万 + 80万 − 75万) |
→ 1年目から黒字になる計算です。これがCCUSとセットで2号取得を進めるべき理由です。
| 工程 | 自社推奨 | 行政書士推奨 | |---|---|---| | CCUS事業者・技能者登録 | ✅ 自社(簡単) | | | CCUSレベル判定申請 | ✅ 自社 | | | 試験予約・受験 | ✅ 本人 | | | 受入計画 認定申請 | △(初回は外部推奨) | ✅ | | 在留資格変更 申請書類 | △(経験者のみ) | ✅ 強く推奨 | | 入管対応・補正対応 | | ✅ |
結論: 試験までは自社、入管書類は行政書士が最適バランスです。8-20万円のコストで不許可リスクを大幅に低減できます。
| サービス内容 | 相場 | |---|---| | 在留資格変更のみ | 8〜12万円/人 | | 受入計画認定 + 在留資格変更 | 12〜18万円/人 | | フルサポート(CCUS含む) | 18〜25万円/人 |
地域差や事務所規模で変動します。3社程度から見積もりを取り、不許可時の対応条項を確認してください。
社員5名のうち3名を1年以内に2号化する想定。
| 項目 | 金額 | |---|---| | 初期投資(3名 × 15万円) | 45万円 | | 年間削減効果(3名 × 36万円) | 108万円 | | 助成金(3名 × 16万円) | 48万円 | | 1年目のネット効果 | +111万円 | | 5年累計効果 | +555万円 |
社員2名のうち1名を6ヶ月以内に2号化する想定。
| 項目 | 金額 | |---|---| | 初期投資(1名 × 20万円) | 20万円 | | 年間削減効果(1名 × 36万円) | 36万円 | | 助成金(1名 × 16万円) | 16万円 | | 1年目のネット効果 | +32万円 | | 5年累計効果 | +196万円 |
社員20名のうち10名を3年で段階的に2号化する想定。
| 項目 | 金額 | |---|---| | 初期投資(10名 × 15万円) | 150万円 | | 年間削減効果(10名 × 36万円) | 360万円/年 | | 助成金(上限160万円/年) | 160万円 | | 1年目のネット効果 | +370万円 | | 5年累計効果 | +1,950万円 |
→ 規模に関わらず、1年目から黒字になる構造です。
書面の試算に出てこないが、実際には発生するコストもあります。
| 項目 | 金額目安 | 備考 | |---|---|---| | 学習時間の人件費(業務時間内学習) | 月20時間 × 時給2,000円 = 月4万円/人 | 試験前2-3ヶ月 | | 試験会場までの交通費 | 1万円〜5万円/人 | 名古屋・東京・大阪等 | | 試験前の有給取得 | 1-2日 | 試験当日 | | 不合格時の再受験コスト | 受験料 + 交通費 | 再挑戦時 | | 書類取得手数料(住民票・戸籍等) | 2,000-5,000円/人 | 在留資格変更時 |
→ 隠れコストを含めると1人あたり3-5万円の追加が現実的です。試算には安全マージンとして+5万円を見込んでおくのが推奨です。
これは経営者の判断ですが、業務時間内学習を認める会社のほうが合格率が高い傾向があります。
理由は単純で、建設現場の長時間労働後に独学で2-3ヶ月続けられる社員は限られます。月20時間 × 3ヶ月 = 60時間の学習時間を業務時間内で確保するのが、合格率を最大化する経営判断です。
UKARU の B2B プランは「社長が学習時間を確保した上で進捗管理する」前提で設計されています。社員ごとの学習時間・正答率・苦手分野を一元表示できるので、業務時間内学習の効果検証が可能です。
これだけで「自社にとって2号化はいくらかかって、いつ回収できるか」がA4 1枚に収まります。
| Month | アクション | |---|---| | Month 1 | コスト試算 → 候補者リスト → CCUS登録状況確認 | | Month 2-3 | CCUSレベル3取得 | | Month 3-5 | 試験対策(UKARU等) | | Month 5-6 | JAC試験合格 | | Month 6-8 | 在留資格変更申請 → 許可 → 登録支援機関契約終了 | | Month 9-10 | コスト回収完了 |
→ 最短でMonth 9-10で初期投資が回収できるスケジュールです。
→ 誤り。1人あたり12-25万円が標準です。「数百万円」は10名分のCCUS関連費用を含めた誤伝です。
→ 誤り。CCUS等活用促進コースは要件さえ満たせば確実に取れます。社労士に依頼すれば申請代行費用は5-10万円程度です。
→ 誤り。2号は登録支援機関不要です。これが年36万円削減の正体です。
→ 半分正しい。書類が複雑なため初回は推奨ですが、2回目以降は自社で対応している建設会社も多数あります。
→ 誤り。CCUS登録費用は1人あたり数千円〜1万円程度です。最大コストは**入管申請(行政書士込みで8-20万円)**です。
UKARU は特定技能2号 建設分野に特化した試験対策アプリです。
UKARU は試験対策の部分を担当し、CCUS手続きや行政書士業務は提供しません。役割分担を明確にして、経営者の時間効率を最大化します。
| プラン | 月額 | 含まれる機能 | |---|---|---| | 個人プラン | 月数千円/人 | 個人学習のみ | | B2B レポートオプション | 月数千円/組織 | 全社員の進捗・苦手分野・受験予定管理 |
→ 1名でも2号取得すれば年36万円のリターンがあるため、B2Bプランの月額は数ヶ月で回収できる計算です。
A. 未着手なら6ヶ月、着手済みなら3ヶ月が目安です。就業履歴の蓄積期間が最長で、これを短縮する方法はありません。
A. Prometric公式の受験料 + 交通費の追加が発生します。CBT方式なので会場・日程を選び直せますが、前回受験日から数えて30日後の試験から受験可能です。
A. 投資が無駄になります。これを防ぐために**「家族と日本で暮らせる会社」というポジショニング**が重要です。詳しくは特定技能2号 建設分野 完全ガイド(経営者向け)を参照してください。
A. UKARU の B2B 営業窓口から無料相談が可能です。御社の社員数・1号社員数・CCUS登録状況をお伝えいただければ、A4 1枚の試算表を返信します。
A. 建設分野の特定技能を10件以上扱った実績があるかが選定基準です。一般的な在留資格専門の行政書士でも対応は可能ですが、建設分野は受入計画認定など特殊な書類があり、経験者を選ぶのが推奨です。
A. 社労士に依頼するのが標準です。助成金額の10-20%が成功報酬の相場で、自社申請より確実です。
A. 育成就労制度の本格運用は2027年4月以降です。改正前の現行制度のうちに2号化を進めるのが手続きの煩雑化を回避する経営判断です。詳しくは特定技能から育成就労制度への10年人材戦略を参照してください。
実務で参照する一次情報のリンク集です。
特定技能2号取得は、単なるコスト削減策ではなく人材防衛の戦略投資です。
数字で見れば1名あたり12-25万円・年36万円削減・8-10ヶ月回収。これだけ見れば「やらない理由がない」投資です。
しかし真のリターンは、2027年4月の育成就労制度施行で転籍が容易になった時に「家族と日本で暮らせる会社」と認識されているかにかかっています。
社員さん何名くらいを、いつまでに2号化したいですか?人数と時期感が決まれば、UKARU の B2B プランで進捗管理・学習教材・社長向けレポートまで一括サポートできます。
まずは候補社員のリストアップとCCUS登録状況の確認から始めてみてください。