3行まとめ
- 範囲は学科テキスト1・2と職長テキストの5か所
- 発注者・監理者・設計者・ゼネコン・現場監督・専門工事業者の6つを覚える
- 建設業法は許可・技術者・請負契約の3つの柱で整理する
特定技能2号(建設)の学科試験に出る施工体制と建設業法は、JAC(建設技能人材機構)の「学科テキスト1」の1.2節、「学科テキスト2」の2.2節、「職長テキスト」の1.1節・5.3節が中心です。覚えることは、工事に関わる6つの役割、職長の立ち位置、建設業法の3つの柱(許可・技術者・請負契約)です。この記事は2026年10月時点の情報で書いています。
施工体制とは、1つの工事に「だれが注文し、だれが確かめ、だれがまとめ、だれが作るか」という人と会社の組み合わせのことです。毎日現場で働いている技能者でも、発注者や監理者と直接話す機会は少ないため、試験の言葉で聞かれると迷いやすいテーマです。社員を受験させる会社の社長・担当者は、後半の「会社ができること」もあわせて読んでください。
試験全体の形や合格率は、特定技能2号 建設の試験対策ガイド(試験の全体像と3区分)にまとめています。
施工体制と建設業法の問題は、試験のどこから出る?
施工体制と建設業法の問題は、学科試験の範囲である学科テキスト1・2と職長テキストから出ます。学科テキスト1は区分ごとに表紙が違いますが、施工体制の節の中身は3区分で同じです。
JACの試験情報によると、2号の学科試験の範囲は「職長テキスト」と「学科テキスト1〜4」です。学科テキスト1〜4は1号の試験範囲と同じもので、職長テキストは3区分共通です。学科試験と実技試験の形は次のとおりです。
| 項目 | 学科試験 | 実技試験 | |---|---|---| | 問題数 | 40問 | 25問 | | 時間 | 60分 | 40分 | | 答え方 | 4択(CBT方式) | 4択(CBT方式) | | 合格基準 | 合計点の75%以上(40問なら30問以上) | 合計点の75%以上(25問なら19問以上) | | 範囲 | 職長テキスト・学科テキスト1〜4 | 実技テキスト5〜7 |
施工体制と建設業法に関わる節は、次の5か所です。ページは各テキストの下に書かれた番号です。
| テキスト | 節 | ページ | 主な中身 | |---|---|---|---| | 学科テキスト1 | 1.2 日本の建設工事の施工体制 | 1〜2 | 6つの役割、大規模工事と小規模工事の違い | | 学科テキスト2 | 2.2 建設業法 | 18 | 5つの目的、許可が必要な29の業種 | | 職長テキスト | 1.1.1 現場での職長の位置づけ | 1 | 職長とは何か、中規模以上の現場と小規模の現場の違い | | 職長テキスト | 1.1.2 職長の役割(⑦〜⑨) | 5〜7 | 他職種との連絡・調整、職長会、現場責任者や会社への報告 | | 職長テキスト | 5.3 建設業法 | 122〜125 | 目的、許可制度、技術者制度、請負契約の適正化 |
学科テキスト1の版は「Ver.20220908」です。職長テキストの正式な名前は「建設分野特定技能2号評価試験用テキスト」で、表紙に2025.1.15と書かれた版がJACのサイトで公開されています。
JACが公開している2号学科のサンプル問題にも、このテーマの問題があります。施工体制の中で専門工事業者の説明を選ぶ問題と、建設業法で配置が義務付けられている技術者を選ぶ問題です。サンプル問題で出ている以上、本番でも同じ範囲から聞かれると考えて準備します。
UKARUの学習データでは、施工体制が一番間違えやすい
UKARUの学習データでは、土木区分の学科のテーマ「施工体制」を初めて解いたときの正答率は57.5%(出典: UKARU 学習データ)でした。利用者20人以上・問題3問以上のテーマを集計した中で、一番低い値です。合格ラインの75%を大きく下回っています。共通の学科のテーマ「建設業法」の初回正答率は76.0%(出典: UKARU 学習データ)です(利用者46人・4問)。
この数字は、本番の試験の正答率ではありません。UKARUのオリジナル予想問題を、利用者が初めて解いたときの正答率です(2026年9月28日集計)。UKARUの施工体制の問題は6問、解いた利用者は27人なので、目安として見てください。
区分ごと・テーマごとの初回正答率は、特定技能2号 建設の試験問題の出方と、間違えやすい分野(UKARU学習データ)で一覧にしています。
施工体制の6つの役割は、どう覚える?
学科テキスト1は、施工体制の役割を「発注者」「監理者」「設計者」「工事全体をまとめる会社(ゼネコン)」「現場監督」「専門工事業者」の6つに分けています。名前と仕事の組み合わせを、表で覚えます。
| 番号 | 役割 | 学科テキスト1の説明 | 立場 | |---|---|---|---| | ① | 発注者 | 建設工事を建設業者に注文する組織や個人。国土交通省、地方自治体、民間の企業、個人など | 注文する側 | | ② | 監理者 | 工事が図面どおりに行われているかを確認する立場の技術者 | 確かめる側 | | ③ | 設計者 | 発注者の要求を実現するための設計図書を作る技術者 | 図面を作る側 | | ④ | 工事全体をまとめる会社 | 通称「ゼネコン」 | まとめる側 | | ⑤ | 現場監督 | 工事現場を監督し、指揮をとる技術者 | まとめる側(ゼネコンの中) | | ⑥ | 専門工事業者 | 工事ごとの専門家。職長の指示に従って、複数の作業員が工事を行う | 作る側 |
学科テキスト1の図1-1では、発注者の横に監理者と設計者が並び、発注者の下にゼネコン(その中に現場監督)があります。ゼネコンの下には、鉄筋工事・型枠工事・とび工事などの専門工事業者が並びます。専門工事業者の中では、職長の下に作業員がいます。職長テキストの図1-3にも、同じ「施工体制の例」が載っています。
迷いやすい組み合わせ
試験で迷いやすいのは、似た立場の言葉の区別です。次の3つの組み合わせを、ひと言の違いで覚えます。
| 組み合わせ | 区別のしかた | |---|---| | 監理者と現場監督 | 監理者は「図面どおりかを確認する」技術者。現場監督は「現場を監督し、指揮をとる」技術者 | | 監理者と設計者 | 設計者は設計図書を「作る」。監理者は図面どおりかを「確かめる」 | | ゼネコンと専門工事業者 | ゼネコンは工事全体を「まとめる」会社。専門工事業者は工事ごとの「専門家」で、実際に作業する |
「監理」と「管理」は読み方が同じで、字が違います。学科テキスト1の「監理者」は、工事が図面どおりかを確認する技術者のことです。試験の画面では、字を見て区別します。
大規模工事と小規模工事の違い
学科テキスト1は、日本の施工体制は工事の規模によっていろいろなパターンがある、と説明しています。大規模工事と、一般住宅などの小規模工事の違いを表にすると、次のとおりです。
| 工事の規模 | 注文する人 | 元請けになる会社 | 進め方 | |---|---|---|---| | 一般的な大規模工事 | 発注者 | ゼネコン | 図1-1のような体制で、発注から施工まで行う | | 一般住宅などの小規模工事 | 施主(建物を建てる発注者) | 工務店など | 工務店が元請けとなり、専門の工事業者を管理しながら住宅工事を進める |
「施主」とは、建物を建てる発注者のことです。小規模工事では、ゼネコンではなく工務店などが元請けになります。大規模工事との違いとして、表とあわせて覚えておきます。
学科テキスト1の1.1節「チームワーク」では、たくさんの職種の専門工事業者がゼネコンから仕事を請け負い、工事を進めて次の工程につなげていく、と書かれています。施工体制を、仕事が上から下に流れる仕組みとして覚えておくと、どの問題にも対応できます。
職長は、施工体制のどこにいて何をする?
職長は、専門工事業者の中で作業員をまとめる立場です。中規模以上の現場では現場責任者と連携し、自分の職種の作業員に直接指示を出しながら、毎日の作業を進めます。
職長テキスト1.1.1は、職長を「労働安全衛生法では工事現場における作業員の指導監督者」と説明しています。作業員を直接指揮しながら毎日の作業を進めるのが、職長の役割です。
| 現場の規模 | 職長の立場(職長テキスト1.1.1) | |---|---| | 中規模以上の現場 | 工事の現場責任者と連携しながら工事を進める。現場に流れる情報をスムーズに伝える | | 小規模の現場 | 職長が現場責任者の役割をする。住宅(在来軸組工法)や神社・寺などでは「親方」「棟梁」と呼ばれることもある |
中規模以上の現場では、現場責任者(現場監督)の下に複数の職長がいて、それぞれの職長の下に作業員がいます。小規模の現場では、職長の下に直接作業員がいます。「小規模の現場では、職長が現場責任者の役割をする」という点は、職長テキスト1.1.1の表にある違いです。中規模以上の現場とあわせて覚えておきます。
他の職種との連絡・調整
職長テキスト1.1.2の⑦は、施工体制の図を使って「他職種との連絡・調整」を説明しています。規模の大きな現場では、いくつかの専門工事業者が同時に同じ現場で作業を進めます。他の工事業者の進み具合が、自分たちの作業に影響することがあり、その逆もあります。
そのため職長は、工事全体の進み具合を知っておく必要があります。職長テキストでは、他の専門工事業者の職長や現場監督と打合せをし、必要に応じて作業工程の連絡・調整を行う、としています。工程の考え方は、特定技能2号 建設の工程管理(工程表の読み方と予想問題)でくわしく扱っています。
職長会と、会社への報告
職長テキスト1.1.2の⑧は「職長会への参加」です。規模の大きな工事では、同じ種類の専門工事業者だけで10社以上が入ることもあり、数千人の作業員が働くこともあります。職長テキストは、現場監督だけで現場をまとめることは難しいため、専門工事業者の職長が会員となって自主的に運営する「職長会」が作られる、と説明しています。
| 職長会のこと | 職長テキストの説明 | |---|---| | 作られる理由 | 工事が大きくなるほど、現場監督だけで現場をまとめるのは難しいため | | 運営 | 会長・副会長・書記・会計などの役員を決め、役員が中心となって安全衛生に関する会則を定める | | 活動の例 | 自分の工事範囲だけでなく、現場全体の安全パトロールを自主的に行う | | 効果 | 他職種との連絡・調整がよりスムーズになる。ふだん気付かない危険要因を見つけ、現場全体の安全レベルが上がる |
⑨は「現場責任者や会社への報告・連絡・相談」です。職長は、現場での作業状況や進捗状況、問題点などを報告書にまとめ、現場責任者や会社に提出します。施工体制の中で、職長は「上(現場監督・会社)」と「下(作業員)」と「横(他の職種の職長)」をつなぐ位置にいる、と覚えると整理しやすくなります。
建設業法は、何のための法律?
建設業法とは、建設業を営む人に対して定められた法律です。職長テキスト5.3.1は、建設業法の目的を「工事の適正な施工の確保」「発注者の保護」「建設業の健全な発達の促進」「公共の福祉の増進への寄与」の4つに整理しています。
学科テキスト2の2.2節は、同じ建設業法の目的を「5つの目的」として並べています。数え方が違うだけで、中身は重なっています。試験では、どちらの整理で聞かれても答えられるようにしておきます。
| 学科テキスト2の5つの目的 | かっこの中の例(学科テキスト2) | |---|---| | 1. 建設業を営む者の資質の向上 | 建設業許可 | | 2. 建設工事の請負契約の適正化 | 見積書・契約書 | | 3. 適正な施工の確保 | 主任技術者・監理技術者 | | 4. 発注者の保護 | 現場代理人、施工体制台帳・施工体系図 | | 5. 建設業の健全な発達の促進 | (例の記載なし) |
職長テキスト5.3は、建設業法で定められたことを守らないと、いろいろなトラブルが起きる可能性があると書いています。職長は、自分の働く現場が建設業法を守って進められているかを知るために、ポイントを理解しておくことが大切だ、という立場です。
職長テキストでは、例として下請負人を守る決まりを挙げています。建設業法には、下請負人を守るために公正な請負契約を結ぶことが義務付けられています。元請負人は、工程や作業方法について、あらかじめ下請負人の意見を聞く必要があります。工事が始まって無理な工程で作業が進められている場合は、契約の内容に問題があるか、契約を守っていない可能性がある、と説明しています。
職長テキスト5.3.2は、建設業法の中身を「許可制度」「技術者制度」「請負契約の適正化」の3つにまとめています。次の3つの節で、1つずつ見ていきます。
| 柱 | 目的(職長テキスト5.3.2) | 試験で覚える言葉 | |---|---|---| | 許可制度 | 建設業者の資質の向上 | 29の業種、一般建設業許可と特定建設業許可、知事の許可と国土交通大臣の許可 | | 技術者制度 | 施工技術の確保 | 主任技術者、監理技術者(現場代理人もこの項目の中で説明) | | 請負契約の適正化 | 発注者や下請負人の保護など | 元請負人の義務、書面での契約、施工体制台帳と施工体系図 |
建設業の許可は、どう分かれる?
建設業の許可は、29の業種が対象です。許可は「下請代金の額」と「営業所を置く場所」の2つで分かれます。
職長テキスト5.3.2は、許可の要件として、経営の能力や財産的基礎などの「経営の安定性」、業種ごとの「技術力」、誠実性などの「適格性」が評価される、と説明しています。職長としては、技術力と適格性を意識した仕事を心がけることが大切だ、としています。
下請代金の額による分かれ方
| 条件(職長テキスト図5-1) | 必要な許可 | |---|---| | 元請け工事を行わない | 一般建設業許可 | | 元請けとして工事を行うが、大きな金額の下請契約を結ばない | 一般建設業許可 | | 元請けとして、決められた金額以上の下請契約を結ぶ工事を行う | 特定建設業許可 |
営業所を置く場所による分かれ方
| 営業所を置く場所 | 許可を出すところ | |---|---| | 1つの都道府県だけに営業所を置く | 都道府県知事の許可 | | 2つ以上の都道府県に営業所を置く | 国土交通大臣の許可 |
国土交通省の「建設業の許可とは」のページでも、29の種類は土木一式工事と建築一式工事の2つの一式工事と、27の専門工事だと説明しています。営業所が1つの都道府県だけなら知事の許可、2つ以上なら大臣の許可という分け方も、職長テキストと同じです。「工事をする場所」ではなく「営業所を置く場所」で分かれる点に注意します。
主任技術者と監理技術者は、どう違う?
主任技術者と監理技術者は、どちらも工事現場に置く技術者です。職長テキストでは、元請けとして大きな金額の下請契約を結ぶ工事で、主任技術者に代わって監理技術者を置く、と説明しています。
職長テキスト5.3.2の「技術者制度」は、施工技術の確保が目的です。業種ごとに、工事現場に主任技術者または監理技術者を置くことが求められます。特に公共性のある工事では、専任(その工事だけを受け持つこと)での配置が求められます。国土交通省の報道発表では、専任が必要になる請負代金の額は、2025年2月1日から4,500万円(建築一式工事は9,000万円)以上です。これは、あとの節で出てくる下請契約の額(5,000万円)とは別の基準です。
| 項目 | 主任技術者 | 監理技術者 | |---|---|---| | 置く工事(職長テキスト) | 監理技術者を置く工事以外 | 元請けとして、決められた金額以上の下請契約を結ぶ工事 | | 役割 | 施工計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理などの監督業務 | 主任技術者とほぼ同じ | | なるための資格 | 担当する工種に応じた1級・2級の国家資格、または一定期間以上の実務経験など | 担当する工種に応じた1級の国家資格(職長テキストの説明) | | 職長との関係 | 職長は主任技術者を補佐する立場で、工程管理・品質管理・安全管理に取り組む | 職長テキストには記載なし |
国土交通省関東地方整備局の資料「建設工事の適正な施工を確保するための建設業法(令和8.2版)」は、主任技術者について次のように説明しています。工事を請け負った建設業者は、請負代金の大小や元請・下請にかかわらず、工事現場に主任技術者を置かなければなりません。
現場代理人は、配置が義務付けられた技術者ではない
職長テキストによると、小さな規模の現場では、現場代理人が主任技術者を兼ねることがあります。現場代理人とは、工事現場に常駐することが難しい経営者の代わりとして、現場に常駐する役割の人です。学科テキスト2では、現場代理人を「発注者の保護」の例に入れています。
試験で迷いやすいのは、「建設業法で配置が義務付けられている技術者」を選ぶ問題です。答えは主任技術者・監理技術者です。現場代理人・安全衛生責任者・職長は、ここでいう技術者ではありません。職長は、主任技術者を「補佐する」立場だと覚えておきます。
施工体制台帳と施工体系図とは?
施工体制台帳とは、1つの工事に関わる下請負人などをまとめた台帳です。施工体系図とは、下請負人の分担が一目で分かる図で、工事現場の見やすい場所に掲げます。
職長テキスト5.3.2「請負契約の適正化」は、元請負人の義務、公正な請負契約の締結義務、請負契約の書面締結義務などを定めている、と説明しています。その例として、元請負人は決められた金額以上の下請契約を結ぶ工事では、「施工体制台帳」と「施工体系図」を作り、現場ごとに備えておく必要がある、としています。職長テキストには、掲げる図を「施工体制図」と書いている箇所もあります。国の資料での名前は「施工体系図」です。
| 書類 | 中身 | 置く場所 | |---|---|---| | 施工体制台帳 | 工事に関わる下請負人(二次下請以下も含む)の情報 | 工事現場ごとに備え付ける | | 施工体系図 | 各下請負人の施工の分担が一目で分かる図 | 工事現場の見やすい場所に掲げる |
関東地方整備局の資料によると、施工体制台帳には一次下請だけでなく、二次下請、三次下請も記載します。建設業の許可を持たない業者も対象です。公共工事では、下請契約の金額にかかわらず、施工体制台帳の作成が必要です。
テキストの金額と、今の法律の金額は違う?
違います。職長テキストに書かれている4,500万円(建築一式工事は7,000万円)は、法律が改正される前の金額です。2025年2月1日から、5,000万円(建築一式工事は8,000万円)に引き上げられました。
国土交通省は2024年12月6日に、建設業法施行令の改正を発表しました。建設工事費が上がったことに合わせて、金額の要件を見直すものです。施行日は2025年2月1日です。試験に関わる金額を、改正の前と後で並べると次のとおりです。
| 項目 | 職長テキストの金額(改正前) | 今の金額(2025年2月1日から) | |---|---|---| | 特定建設業許可が必要になる下請代金の額 | 4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上) | 5,000万円以上(建築工事業は8,000万円以上) | | 監理技術者を置く工事(元請けの下請契約の額) | 4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上) | 5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上) | | 施工体制台帳と施工体系図を作る工事(下請契約の額) | 4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上) | 5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上) |
表の「建築一式工事」と「建築工事業」は、出典の書き方に合わせています。国の資料では、特定建設業許可の金額を「建築工事業」、監理技術者と施工体制台帳の金額を「建築一式工事」と書いています。
公開されている職長テキストの表紙の日付は2025.1.15で、改正の施行(2025年2月1日)より前です。本番の試験で、改正前と改正後のどちらの金額が選択肢に出るかは、JACから発表されていません(未発表)。対策としては、まず「元請けとして大きな金額の下請契約を結ぶと、特定建設業許可・監理技術者・施工体制台帳が必要になる」という仕組みを覚えます。そのうえで、テキストの金額と今の金額の両方を知っておくと、どちらの数字が出ても迷いません。
オリジナル予想問題で確かめる
ここまでの内容を、UKARUが学科テキスト1・2と職長テキストをもとに作ったオリジナル予想問題4問で確かめます。本番の試験問題は公開されていません。JACは2号学科のサンプル問題を2種類公開していて、施工体制の問題は1つ目のサンプル問題に入っています。サンプル問題もあわせて解いておきます。予想問題は、サンプル問題とは違う聞き方で作っています。
予想問題1(共通・施工体制)
日本の建設工事の施工体制で、工事が図面どおりに行われているかを確認する立場の技術者は、次のうちどれですか。
- 設計者
- 監理者
- 現場監督
- 発注者
正解:2
解説:工事が図面どおりかを確認する立場の技術者は、監理者です。1の設計者は、発注者の要求を実現するための設計図書を作る技術者です。3の現場監督は、工事現場を監督し、指揮をとる技術者です。4の発注者は、工事を建設業者に注文する組織や個人です。根拠:学科テキスト1「1.2 日本の建設工事の施工体制」。
予想問題2(共通・建設業法)
職長テキストの説明で、元請けとして決められた金額以上の下請契約を結ぶ工事に、主任技術者に代わって置く必要がある技術者は、次のうちどれですか。
- 現場代理人
- 設計者
- 監理者
- 監理技術者
正解:4
解説:元請けとして決められた金額以上の下請契約を結ぶ工事では、主任技術者に代わって監理技術者を置きます。職長テキストでは、監理技術者になるには担当する工種に応じた1級の国家資格が必要だと説明しています。1の現場代理人は、経営者の代わりとして現場に常駐する人で、小さな現場で主任技術者を兼ねることはあっても、監理技術者の代わりにはなりません。2の設計者は、発注者の要求を実現するための設計図書を作る技術者です。3の監理者は、工事が図面どおりに行われているかを確認する立場の技術者です。名前が似ていますが、監理技術者とは別の役割です。根拠:職長テキスト5.3.2「建設業法の概要」②技術者制度。
予想問題3(共通・建設業法)
建設業者が、2つ以上の都道府県に営業所を置いて営業するとき、必要な建設業の許可は次のうちどれですか。
- 国土交通大臣の許可
- 都道府県知事の許可
- 市町村長の許可
- 発注者の許可
正解:1
解説:2つ以上の都道府県に営業所を置く場合は、国土交通大臣の許可です。2の都道府県知事の許可は、1つの都道府県だけに営業所を置く場合です。3の市町村長は、建設業の許可を出すところではありません。4の発注者は工事を注文する側で、建設業の許可を出すところではありません。根拠:職長テキスト5.3.2「建設業法の概要」①許可制度(図5-1)。
予想問題4(共通・職長の役割)
規模の大きな現場で、他の専門工事業者の作業の遅れが、自分たちの作業に影響しそうです。職長がとる行動として、最もふさわしいものはどれですか。
- 自分たちの作業範囲だけを見て、予定どおりに作業を続ける
- 他の専門工事業者の作業員に、直接作業の指示を出す
- 他の専門工事業者の職長や現場監督と打合せをし、作業工程の連絡・調整を行う
- 遅れが工期に影響するまで待ち、影響が出てから会社に報告する
正解:3
解説:職長は工事全体の進み具合を知っておく必要があり、他の専門工事業者の職長や現場監督と打合せをして、作業工程の連絡・調整を行います。1は、他の工事業者の進み具合が自分たちに影響することを考えていません。2の作業員への指示は、その作業員の職長が出すものです。4は対応が遅れます。根拠:職長テキスト1.1.2「職長の役割」⑦他職種との連絡・調整。
今日から、何をどの順で勉強する?
施工体制と建設業法は、学科テキスト1の2ページと職長テキストの数ページを読み、言葉と立場の組み合わせを表にまとめるのが近道です。次の順番で進めます。
- 学科テキスト1の1.2節(1〜2ページ)を読む。図1-1を見ながら、6つの役割の名前と説明に線を引きます。
- 6つの役割を、自分の現場に当てはめて書く。今の現場の発注者・ゼネコン・現場監督・自分の会社(専門工事業者)がだれかを、紙に書き出します。
- 職長テキスト1.1.1と1.1.2の⑦〜⑨(1ページ、5〜7ページ)を読む。中規模以上の現場と小規模の現場の違い、職長会の目的をまとめます。
- 学科テキスト2の2.2節(18ページ)と職長テキスト5.3節(122〜125ページ)を読む。5つの目的と4つの目的の両方を確かめ、許可制度・技術者制度・請負契約の適正化の3つの柱を、この記事の表と同じ形でまとめます。
- 金額の条件を確かめる。テキストの金額と、2025年2月1日からの金額の両方を書き、「元請けとして」「下請契約の額」という条件の言葉に線を引きます。
- オリジナル予想問題とJACのサンプル問題を解き、間違えた言葉だけを読み直す。
職長テキストは、JACのサイトに英語・ベトナム語・インドネシア語などの翻訳版もあります。役割の名前の意味を母語で確かめたあと、試験と同じ日本語の言葉で覚え直します。
受ける区分の問題は、土木の試験対策ページ・建築の試験対策ページ・ライフライン・設備の試験対策ページで解けます。職長テキストと区分ごとのテキストの読み方は、JACテキストの読み方と、3回読みの進め方にまとめています。4週間の学習計画に組み込むなら、特定技能 建設の4週間勉強法を参考にしてください。
会社ができること
社員を受験させる会社は、自社が入っている現場の施工体制を、社員に見せて説明する機会を作ります。施工体制は、図で一度見ると覚えやすいテーマです。
| 場面 | 会社・現場の担当者ができること | |---|---| | 新しい現場に入るとき | 現場に掲げてある施工体系図を一緒に見て、発注者・元請け・自社の位置を指でたどる | | 朝礼・打合せ | 「今日の打合せの相手は施工体制のどの立場か」を、テキストの言葉で答えてもらう | | 職長会 | 受験する社員を職長会や安全パトロールに同席させ、他の職種との調整を見せる | | 学習の時間 | 学科テキスト1の1.2節と職長テキスト5.3節を読む時間と、予想問題を解く時間を勤務の中で作る |
2号の在留資格の申請手続きや、班長・職長としての実務経験の証明は、この記事では扱いません。手続きは行政書士にご相談ください。
よくある質問
Q. 施工体制の問題は、土木・建築・ライフライン・設備で違いますか?
学科テキスト1の施工体制の節は、3区分で同じ中身です。職長テキストも3区分共通です。UKARUでは施工体制の問題を土木区分の学科として集計していますが、どの区分を受ける人も同じように勉強します。
Q. 金額の問題が出たら、テキストの金額と今の金額のどちらで答えればよいですか?
本番でどちらの金額が出るかは、JACから発表されていません。テキストの4,500万円(建築一式工事は7,000万円)と、2025年2月1日からの5,000万円(建築一式工事は8,000万円)の両方を覚えておきます。選択肢に片方しか出ていなければ、その数字を選びます。
Q. 自分の会社は下請けです。建設業法の勉強は必要ですか?
必要です。建設業法では、建設業者は元請・下請にかかわらず、工事現場に主任技術者を置く決まりです。職長は主任技術者を補佐する立場なので、下請けの職長にも関係があります。また、無理な工程や契約の問題に気付けることも、職長テキストが職長に求めている力です。
Q. 現場で働いていれば、勉強しなくても施工体制の問題は解けますか?
現場の経験は役に立ちますが、試験は学科テキスト1と職長テキストの言葉で聞かれます。現場では「元請けさん」「監督さん」と呼んでいても、試験では「ゼネコン」「現場監督」「監理者」のように区別して聞かれます。テキストの言葉と現場の呼び方を結びつけて覚えるのが近道です。
※この記事は2026年10月時点の情報です。試験の範囲・形式・テキスト、建設業法の金額の要件は変わることがあります。出典は次の公式ページです(JAC 建設技能人材機構 試験情報・学科テキスト1(土木・PDF)・学科テキスト2(PDF)・建設分野特定技能2号評価試験用テキスト(職長テキスト・PDF)・2号学科サンプル問題(PDF)・国土交通省 建設業の各種金額要件の見直し(2024年12月6日)・国土交通省 建設業の許可とは・関東地方整備局 建設工事の適正な施工を確保するための建設業法(令和8.2版・PDF))。UKARUの学習データは2026年9月28日時点の集計です。最新情報は必ず公式でご確認ください。