この記事の要点
- 実技試験は25問/40分・合格75%(19問正解)。学科と同じ**パソコンの4択(CBT)**で、現場での判断を問う。
- 直近(2026年2月実施)の2号建築の合格率は**約63%**(回により変動・上昇傾向)。学科は取れても実技がボトルネックになりやすい。
- 出題の中心は①写真で工具・足場を見分ける ②施工手順の正誤 ③安全(墜落中心)。 出典:建設技能人材機構(JAC)https://jac-skill.or.jp/exam/
特定技能2号建設分野の実技試験は**25問/40分で、合格基準は75%(19問以上正解)です。学科試験と違い、実技試験は現場での正しい判断**が問われます。
実技試験の写真問題では、「間違った作業をしているのはどれか?」という引っかけ問題がよく出ます。特に「保護具の着用」や「立入禁止区域」に注目して写真を見る癖をつけましょう。
この記事では、実技試験の出題パターンと、合格75%をクリアするための対策法を解説します。
実技試験とは?学科との違い
実技も学科と同じ4択(CBT)で、ハンマーを振る作業ではありません。違いは「現場で正しく判断できるか」を問う点です。
| | 学科 | 実技 | |---|---|---| | 形式 | 4択(CBT) | 4択(CBT) | | 問題数/時間 | 40問/60分 | 25問/40分 | | 合格ライン | 75%(30問) | 75%(19問) | | 問うもの | 知識を覚えているか | 現場での判断 |
特定技能2号は「複数の作業員を指導し工程を管理する**班長・職長レベル**」を測る試験です。だから実技は、監督者としての判断を問います。
実技試験の出題パターン
出題の中心は「写真で工具・足場を見分ける問題」「施工手順の正誤」「不具合の判定」「安全対策」の4種類です。
パターン1: 写真問題(工具・足場・機器の識別)
写真を見て、工具・材料・機械・足場の名前や用途を答える問題です。
対策:
- 自分の区分でよく使う工具の名前を写真で覚える
- 似ている工具の違いを明確にする(例: ラチェットレンチとモンキーレンチ、枠組み足場とくさび緊結式足場)
- UKARUの問題で写真問題を繰り返し練習する
パターン2: 施工手順の正誤(正しい手順を選ぶ)
作業の正しい順番や、施工として「正しくないもの」を選ぶ問題です。
対策:
- 主要な施工手順を覚える
- 土木: 掘削→床付け→基礎→埋め戻し
- 建築: 墨出し→配筋・型枠→コンクリート打設(部位により配筋と型枠の順は前後します)
- ライフライン: 配管ルート確認→支持金具→配管→圧力試験
パターン3: 不具合の判定
施工の写真を見て、不具合があるか、何が問題かを答える問題です。
対策:
- 「よくある不具合」のパターンを覚える
- コンクリートのジャンカ、鉄筋のかぶり不足、配管の勾配不良等
- 安全基準の数値を覚える
パターン4: 安全対策の選択(墜落が中心)
特定の作業で必要な安全対策を選ぶ問題です。建設現場の死亡災害で最も多いのは**墜落・転落**で、ここが頻出します。
対策:
- 保護具の種類と使用場面を覚える
- 高所作業: 墜落制止用器具(安全帯)、ヘルメット、安全ネット
- 電気作業: 絶縁手袋、絶縁靴、検電器
- 粉塵の出る作業: 防塵マスク、保護メガネ
※写真問題の配点割合は公式には公表されていません。上記は出題傾向の整理です。
最新の合格率(2026年2月)
直近(2026年2月実施)の2号建築は受験1,844人・合格率約63%。ただしこれは1回分で、回により変動し、近年は上昇傾向です。
| 区分(2026年2月実施回) | 受験者数 | 合格率 | |---|---|---| | 2号 建築 | 1,844 | 約63% | | 2号 土木 | 1,059 | 約59% | | 2号 ライフライン・設備 | 202 | 約54% |
出典:建設技能人材機構(JAC)令和8年2月 試験結果。合格率は実施回ごとに変動します。
学科と実技のどちらで落ちたかの内訳は公表されていませんが、**「学科は取れても実技がボトルネックになりやすい」**のはよく見られるパターンです。
区分別の頻出テーマ
自分の区分の頻出テーマを優先して覚えるのが、最短の合格ルートです。
土木
| 順位 | テーマ | 出題傾向 | |---|---|---| | 1 | 掘削・土留め | 施工手順、安全対策 | | 2 | コンクリート施工 | 打設手順、養生方法 | | 3 | 測量器具 | 写真から器具名を答える | | 4 | 建設機械 | 名称と用途 | | 5 | 型枠工事 | 施工手順、不具合判定 |
建築
| 順位 | テーマ | 出題傾向 | |---|---|---| | 1 | 鉄筋工事 | 配筋、かぶり、継手 | | 2 | 型枠工事 | 組立手順、精度管理 | | 3 | 仕上げ工事 | タイル施工、塗装 | | 4 | 防水工事 | 施工手順、材料選択 | | 5 | 足場工事 | 組立基準、安全対策 |
ライフライン
| 順位 | テーマ | 出題傾向 | |---|---|---| | 1 | 配管接続 | 接続方法、工具選択 | | 2 | 電気配線 | 配線方法、安全距離 | | 3 | 空調設備 | 冷媒配管、ドレン勾配 | | 4 | 給排水 | 配管勾配、トラップ | | 5 | 消防設備 | スプリンクラー、消火器 |
40分の時間配分
25問を40分=1問あたり約1分36秒。自信のある問題から先に解くのが鉄則です。
| フェーズ | 時間 | やること | |---|---|---| | 第1フェーズ | 20分 | 自信のある問題を先に解く | | 第2フェーズ | 15分 | 迷った問題に戻る | | 第3フェーズ | 5分 | 見直し・空欄チェック |
よくある間違いと対策
「写真で焦る」「施工手順の逆転」「安全の数値の見落とし」の3つが、落とし穴です。
- 写真問題で焦る: 見たことのない工具が出ても、消去法で解ける
- 施工手順の逆転: 「準備→施工→検査→片付け」の基本フローを忘れない
- 安全対策の見落とし: 「高さ2m以上=墜落防止」等の数値基準を必ず確認
何で勉強すればいい?
まずJAC公式の無料サンプル・テキスト(写真つき・ふりがな付き)を“地図”にし、毎日の反復は学習アプリで行うのが効率的です。
JAC公式サイトに、建築・土木・ライフラインの実技サンプル問題とテキストが無料で公開されています(https://jac-skill.or.jp/exam/ )。これが出題範囲の地図になります。
毎日の反復には、実技だけにしぼって練習でき、間違えた問題が繰り返し出るUKARUが向いています。なお、UKARUの問題は本番の「過去問」ではなく、**公式テキストに基づくオリジナル予想問題**です(本番の問題は非公開のため)。
よくある質問(FAQ)
Q. 実技試験は実際に作業をするのですか?
いいえ。実技も学科と同じ**パソコン上の4択(CBT)**です。実際に体を動かす作業ではなく、現場での判断を選択式で問われます。
Q. 合格点は何点ですか?
**25問中19問(75%)**で合格です。学科は40問中30問(75%)。両方に合格する必要があります。
Q. なぜ過去問を解いても本番で解けないのですか?
本番の問題は**非公開**で、毎回同じ問題は出ません。丸暗記より、一問ごとに“なぜそうなるか”を理解することが有効です。
Q. 日本語はどれくらい必要ですか?
特定技能2号の試験は**母語の翻訳がなく、日本語のみ**です。N3前後の日本語力があると有利で、「正しくないものを選べ」等の言い回しに慣れることが大切です。
※在留資格の申請など実務の詳細は、管轄の入管または専門家にご相談ください。
まとめ
実技試験は**現場経験があれば有利**です。普段の仕事で使っている知識を「日本語で答えられるか」がポイントです。①写真で工具を覚える ②施工手順と安全の理由を理解する ③本番形式で反復する——この3つで、19問の壁は必ず越えられます。