3行まとめ
- 特定技能は技能実習と違い「転職できる」。出入国在留管理庁データでは1号全体の22.4%が転職を経験
- ただし建設は、転職率の高い農業・漁業・飲食料品製造業より低い傾向。同一分野の転職でも在留資格変更許可申請が必要
- 定着の本命は2号化。在留更新の上限がなく、毎年の固定費(受入負担金・支援費)も消えるため、長期で囲い込める
「せっかく育てた外国人材に辞められないか」——建設会社の経営者が特定技能で一番気にする点です。この記事では、特定技能の転職の実態を出入国在留管理庁のデータで確認し、建設会社が取れる定着策を整理します。
特定技能は転職できる(技能実習との違い)
まず前提です。技能実習は原則として転職できませんが、特定技能は同じ分野の範囲内で転職が可能です。「特定技能なら一生うちにいてくれる」という前提は誤りで、本人の意思で他社へ移ることはできます。
実際どれくらい転職している?
出入国在留管理庁のデータ(2021年1月〜2024年末)では、特定技能1号の転職実態は次のとおりです。
| 項目 | 数値 | |------|------| | 転職を経験した割合(全体) | 22.4% | | そのうち転職1回 | 84.6% | | 転職率が高い分野 | 農業 32.9%/漁業 28.1%/飲食料品製造業 27.1% |
全体ではおよそ4〜5人に1人が転職しています。一方、建設は転職率の高い上位分野には入っておらず、相対的に低い傾向です。つまり「建設だから即流出する」わけではありませんが、「特定技能だから絶対に辞めない」わけでもない、というのが実態です。
出典:出入国在留管理庁 特定技能制度(特定技能外国人の転職状況に関する公表データ)
転職の手続き — 同一分野でも届出だけでは済まない
特定技能の外国人が転職する場合、転職先の業務が今の在留資格で認められた範囲内である必要があります。建設どうしの同一分野の転職なら新たな試験は不要ですが、出入国在留管理庁への在留資格変更許可申請が必要です。会社が変わるたびに手続きが発生する、と理解しておくと安全です。
定着の本命は「2号化で囲い込む」
転職リスクを構造的に下げる一番効く手は、中核人材を特定技能2号へ引き上げることです。理由は3つあります。
- 在留が続く:2号は在留更新の上限がなく、長期で働き続けられます。
- 家族帯同できる:家族と暮らせることが、その土地・その会社に留まる強い理由になります。
- 会社の固定費も減る:2号化すると、その人材分の受入負担金(年15万円)と支援費が消えます。詳細は1号と2号のランニングコストの違いで解説しています。
転職は給与・人間関係だけでなく「この先ここで長く働けるのか」という不安からも起きます。班長候補に「2号を取れば家族も呼べて、ずっと働ける」という道筋を早めに示すこと自体が、最大の定着策です。試験対策の伴走は、その約束を実現する手段になります。
特定技能2号の制度・要件は特定技能2号とは、受入企業が払う固定費の全体像はJAC受入負担金とはにまとめています。
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よくある質問
Q. 特定技能の外国人は転職できますか? できます。技能実習と違い、同じ分野の範囲内で本人の意思により転職が可能です。
Q. どれくらいの人が転職していますか? 出入国在留管理庁のデータ(2021年1月〜2024年末)では、特定技能1号全体の22.4%が転職を経験しています。建設は転職率の高い分野には入っておらず、相対的に低い傾向です。
Q. 同じ建設どうしの転職でも手続きは必要ですか? 同一分野なら新たな試験は不要ですが、出入国在留管理庁への在留資格変更許可申請が必要です。
Q. 転職を防ぐ一番効く方法は? 中核人材を特定技能2号へ引き上げることです。在留更新の上限がなく家族帯同も可能で、会社の固定費も減るため、長期で定着しやすくなります。
この記事は出入国在留管理庁の公表資料にもとづき、UKARUが整理・解説したものです(2026年6月時点)。制度・統計の最新情報は必ず出入国在留管理庁でご確認ください。