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制度解説(更新: 2026/6/30

育成就労制度とは|技能実習との違い・2027年4月施行の新制度をわかりやすく解説

2027年4月1日施行の育成就労制度を出入国在留管理庁の資料にもとづき解説。技能実習との違い(目的・期間・転籍・日本語要件)、特定技能とのつながり、監理団体から監理支援機関への再編まで。建設会社の経営者・担当者向けにわかりやすく整理。

3行まとめ

  • 育成就労制度は技能実習制度を発展的に解消して創設される新制度で、施行は2027年4月1日(公布は2024年6月21日)
  • 目的が「国際貢献・技能移転」から「人材の確保と育成」へ転換。原則3年で特定技能1号の水準まで育てる制度
  • 最大の違いは、本人の意向による転籍が一定要件で認められること。日本語要件も段階的に課される

「技能実習がなくなって育成就労になる」と聞くものの、何がどう変わるのかは分かりにくいものです。この記事では、2027年4月に施行される育成就労制度を、出入国在留管理庁の資料にもとづいて、技能実習との違いを軸にわかりやすく整理します。

育成就労制度とは

育成就労制度は、これまでの 技能実習制度を発展的に解消して創設 される新しい受け入れ制度です。最大のポイントは制度の目的が変わることです。

  • 技能実習:建前は「国際貢献・母国への技能移転」
  • 育成就労:はっきりと 「人材の確保と人材の育成」 を目的に掲げる

つまり「学びに来てもらう」建前から、「日本で長く働く人材を育てる」制度へと、目的そのものが転換します。原則3年をかけて、特定技能1号の水準まで育てる のが基本設計です。

出典:出入国在留管理庁 育成就労制度の制度概要・関係法令

いつから?施行は2027年4月1日

| 項目 | 期日 | |------|------| | 法律の公布 | 2024年(令和6年)6月21日 | | 制度の施行 | 2027年(令和9年)4月1日 | | 育成就労計画の事前申請の受付開始 | 2026年(令和8年)9月1日(見込み) |

実際に育成就労外国人を受け入れられるのは2027年4月1日からです。それまでは現行の技能実習制度が続きます。

出典:出入国在留管理庁 育成就労制度の制度概要・関係法令(施行日:一部の規定を除き令和9年4月1日)

技能実習との違い(早見表)

| 項目 | 技能実習(現行) | 育成就労(2027年4月〜) | |------|------------------|--------------------------| | 制度の目的 | 国際貢献・技能移転(建前) | 人材の確保と育成 | | 期間 | 最長5年 | 原則3年(特定技能1号水準へ) | | 転籍(転職) | 原則不可 | 本人の意向で一定要件のもと可能 | | 入国時の日本語 | 原則 基準なし | N5相当(A1)以上 | | 監督機関 | 監理団体 | 監理支援機関(要件を厳格化) | | 特定技能との関係 | 別制度 | 特定技能へつながる育成ルート |

出典:出入国在留管理庁 育成就労制度Q&A

違い1:本人の意向による転籍が認められる

技能実習では原則として転籍(転職)できませんでしたが、育成就労では 本人の意向による転籍が一定の要件のもとで認められます。主な要件は、同一の受入れ機関での就労が一定期間(原則1年)を超えていること、技能・日本語の一定の要件を満たすこと、転籍先が優良と認められることなどです。

これは受け入れる企業にとって、「育てた人材が他社へ移れる」時代になることを意味します。経営者がこの変化にどう備えるかは育成就労制度と特定技能2号 — これからの10年の人材戦略で詳しく解説しています。

違い2:日本語要件が段階的に課される

育成就労では、日本語能力が段階的に求められます。

  • 就労開始前:N5相当(A1)以上
  • 特定技能1号へ移行する時:N4相当(A2)以上
  • 特定技能2号の水準:N3相当(B1)が目安

「日本語ができなくても受け入れられる」という発想は、育成就労では通用しません。

違い3:監理団体が「監理支援機関」へ再編

技能実習を監督してきた監理団体は、監理支援機関 へ再編されます。許可要件が厳格化され、外部監査人の設置などが求められる見込みです。既存の監理団体が新基準で許可を取り直す必要があるため、付き合いのある団体が対応するか、早めの確認が要ります。

特定技能とのつながり — 「育成就労3年 → 特定技能」が本筋

育成就労は、それ単体で完結する制度ではありません。育成就労(原則3年)→ 特定技能1号 → 特定技能2号 という、長期戦力化のルートの入口に位置づけられます。

建設業で使える在留資格全体のなかでの位置づけは建設業で外国人を雇用するには(在留資格の全体像)、その先のゴールである特定技能2号については特定技能2号とはで解説しています。長く働いてもらう前提なら、2号化でランニングコストが下がる点も押さえておきたいところです(1号と2号のランニングコストの違い)。

2027年は『転籍される側』になる前提で準備する

育成就労で一番大きい変化は転籍が可能になることです。裏を返せば、選ばれない会社からは人が出ていきます。日本語学習や試験対策を会社として支える仕組み、特定技能2号という「家族と長く暮らせる道筋」を早めに用意できる会社が、2027年以降に人材を残せます。

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よくある質問

Q. 育成就労制度はいつから始まりますか? 2027年(令和9年)4月1日に施行されます。法律の公布は2024年6月21日です。それまでは現行の技能実習制度が続きます。

Q. 技能実習と何が一番違いますか? 目的が「技能移転」から「人材の確保と育成」へ変わり、本人の意向による転籍が一定要件で認められる点が最大の違いです。

Q. 育成就労の期間は何年ですか? 原則3年です。この3年で特定技能1号の水準まで育てることが目標とされています。

Q. 日本語能力は必要ですか? 必要です。就労開始前にN5相当(A1)以上、特定技能1号へ移行する時にN4相当(A2)以上が段階的に求められます。

Q. 監理団体との契約はどうなりますか? 監理団体は監理支援機関へ再編され、許可要件が厳格化されます。既存団体が新基準に対応するか、早めに確認することをおすすめします。


この記事は出入国在留管理庁の公表資料にもとづき、UKARUが整理・解説したものです(2026年6月時点)。制度の最新情報・詳細な要件は必ず出入国在留管理庁 育成就労制度でご確認ください。

大山 隆弥志UKARU代表 / 建設業界20年

建設業界で20年の現場経験を持ち、数多くの外国人技能実習生の指導にあたってきた。現在はUKARU代表として、建設分野の特定技能試験対策をDXし、外国人が日本で長く活躍できる環境づくりに注力している。

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