UKARU
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制度解説(更新: 2026/6/22

特定技能1号、5年満了でも帰国とは限らない — 2号に落ちても「総合正答率60%」で在留+1年【2025年改正・建設】

特定技能1号の通算5年満了が迫る建設外国人へ。2025年改正で、2号評価試験に不合格でも合格基準点の8割(総合正答率60%)を取れば最長1年在留を延長できる救済措置が新設。要件・受験日2025年12月1日ルール・申請の流れを一次資料で解説。

3行まとめ

  • 2号評価試験に落ちても帰国とは限らない。2025年改正で、不合格でも**合格基準点の8割(建設=総合正答率60%)**を取れば、最長1年・通算6年まで在留を延長できる救済措置が新設
  • 建設分野は**「受験日が2025年12月1日以降」のスコアレポートだけが対象**。それより前の受験は対象外(ここが最重要の落とし穴)
  • 出典:JAC公式 スコアレポート通知出入国在留管理庁 通算在留期間

「特定技能1号の5年がもうすぐ満了する。2号に挑戦中だけど、間に合わなかったら帰国させるしかないのか…」

建設会社の経営者・担当者、そして外国人技能者ご本人にとって、これは切実な問題です。本記事では、**2025年の制度改正で新設された「在留延長の救済措置」**を、出入国在留管理庁とJAC(建設技能人材機構)の一次資料に基づいて正確に整理します。

重要なお断り:在留資格は個別事情で判断が変わります。本記事は一次資料に基づく一般的な解説です。実際の申請可否は、必ず出入国在留管理庁・行政書士にご確認ください。制度は今後変わる可能性があります(本記事は2026年6月時点)。

結論:5年満了=即帰国、ではなくなった

2025年9月30日公表の運用要領改正で、特定技能1号の「通算5年の壁」が緩みました。建設分野で特に大きいのが、これです。

2号評価試験に不合格でも、「合格基準点の8割以上」の得点を取っていれば、最長1年・通算6年まで在留を延長して、再受験できる。

つまり「あと一歩で落ちた人」が、帰国せずにもう一度チャンスを得られるようになりました。

救済措置の正確な中身(建設分野)

JAC公式の通知(建設分野特定技能2号評価試験のスコアレポートについて)には、こう書かれています。

「建設分野特定技能2号評価試験に不合格となった1号特定技能外国人のうち、建設分野特定技能2号評価試験において合格基準点の8割以上の得点を取得している等の要件を満たし、かつ、特定技能1号の通算在留期間の5年を超えて在留することについて相当の理由があると認められる場合は、最長1年間、通算在留期間を超えて在留することができます。」

| 項目 | 内容 | |---|---| | 基準 | 2号評価試験に不合格でも、合格基準点の8割以上の得点 | | 効果 | 最長1年延長(通算6年を上限)→ その間に再受験 | | 在留資格 | 特定技能1号のまま「在留期間更新許可」で延長(特定活動ではない) | | 対象(建設) | 受験日が2025年12月1日以降のスコアレポートのみ | | 確認方法 | スコアレポート(結果通知書)の得点で判定 | | 申請時期 | 5年の通算在留期間が満了する概ね3か月前まで |

本人と会社、それぞれに条件がある

出入国在留管理庁「通算在留期間」のページには、本人の誓約と、所属機関(会社)側の要件が定められています。

本人の誓約:

  • 合格に向けて精励し、試験を受験すること
  • 合格したら速やかに「特定技能2号」への在留資格変更許可申請を行うこと
  • 合格できなかった場合は速やかに帰国すること
  • (出国中の場合)出国日から1年以内に再入国すること

会社側の要件:

  • 引き続き雇用する意思があること
  • 合格に向けた指導・研修・支援等を行う体制を有すること
ここが会社の腕の見せどころ

救済措置は「会社が支援体制を持っていること」が条件です。逆に言えば、学習をきちんと支援している会社ほど、この1年延長を勝ち取りやすい。「本人任せ」では要件を満たしにくい、という設計になっています。

合格は「各75%」、救済は「総合60%」— ここを混同しない

大事なポイントです。合格の基準救済(延長)の基準はまったく別物です。混同すると判断を誤るので、分けて覚えてください。

| | 基準 | 見方 | |---|---|---| | 合格(2号へ) | 学科75%以上 かつ 実技75%以上 | 学科・実技それぞれで75% | | 救済(+1年) | 総合正答率60%以上 | 学科・実技を合算したスコアレポートの総合正答率 |

JACのスコアレポート(結果通知書)には総合正答率が記載され、公式サンプルにも**「総合正答率が60%以上であれば対象」**と明記されています(スコアレポートサンプル)。この「総合60%」は、合格基準点75%の8割にあたります。

  • 合格には**学科・実技の両方で75%**が必要。片方だけ高くても合格にはなりません。
  • ただし合格に届かなくても、合算した総合正答率が60%以上なら、在留延長(+1年)の対象になり得ます。

公式サンプルの実例(土木): 総合正答率74% / 学科73% / 実技76% → 試験結果は「不合格」(学科が75%に届かないため)。しかし総合正答率は74%=60%以上なので、在留延長(+1年)の対象になります。「落ちた=終わり」ではない、という典型例です。

ゴールは2段構え(基準が違う)

①本命=合格=学科・実技それぞれ75%で2号へ。②届かなくても**総合正答率60%**なら帰国せず+1年。救済の判定は学科と実技の合算なので、苦手な科目を底上げすると、合格にも「60%の命綱」にも効きます

見落とし注意:2号は「試験合格」だけでは取れない

ここは必ず押さえてください。建設分野で特定技能2号になるには、試験だけでは足りませんJAC公式)。

  1. 班長としての実務経験 — 建設現場で複数の技能者を指導し、工程を管理した経験(CCUS能力評価レベル3=職長レベル相当)
  2. 次のいずれか — 建設分野特定技能2号評価試験に合格、または技能検定1級に合格

※ 現時点では2号取得に日本語試験の要件はありません。

つまり、試験に受かっても班長としての実務経験が足りないと2号にはなれません。逆に経験が積めているなら、試験が最後の関門です。自社の技能者がどちらの状況か、早めに確認しておきましょう。

「5年の壁」を緩める、ほかの2つの改正

今回の救済措置以外にも、2025年改正で在留が延びやすくなっています。

  • 1回あたりの在留期間が最長3年に — 従来の「1年・6月・4月」から、更新・変更時に最長3年まで認められるように(法務大臣の個別審査)。更新の手間が減ります。
  • 通算5年に「数えない」期間が増えた — 産前産後休業・育児休業・病気/けがの休業・再入国できなかった期間などは、通算5年のカウントから除外されます。

詳しくは出入国在留管理庁「通算在留期間」をご確認ください。

では、満了までに何をすべきか

残された期間でやるべきことは、はっきりしています。

  1. スコアレポートの受験日を確認 — 建設は「2025年12月1日以降」でないと救済の対象外。古い受験結果しかない人は、対象になる日付で受け直しが必要です。
  2. 総合正答率60%(救済ライン)へ、できれば学科・実技それぞれ75%(合格)へ — 苦手科目(多くの方は学科)を底上げするのが最短ルート。合格すれば2号、届かなくても総合60%なら+1年。
  3. 会社として「支援体制」を整える — 救済措置の要件でもあり、合格への近道でもあります。

UKARUは、この3つをまとめて支える設計です。

  • 一番弱い分野を自動で表示 — どこを直せば総合正答率が上がるか、現場に聞かなくても分かります
  • 苦手・実技だけにしぼった反復 — 間違えた問題ほど繰り返し出題
  • 母語対応(インドネシア語・ベトナム語ほか) — 内容を理解しながら進められます
  • 会社の管理画面 — 誰がどこでつまずいているか一目。「会社の支援体制」をそのまま形にできます

問題はJAC公式の出題範囲に沿って作成したオリジナル予想問題です(本番は非公開のため「過去問」ではありません)。

よくある質問

Q. 2号に落ちたら必ず帰国ですか? A. いいえ。建設分野では、2025年12月1日以降の受験で総合正答率60%(合格基準点の8割)以上なら、最長1年・通算6年まで在留を延長して再受験できる可能性があります。最終判断は出入国在留管理庁です。

Q. 延長は何年でもできますか? A. いいえ。延長は最長1年・通算6年が上限です。その1年で合格できなければ帰国が原則です。

Q. この延長で在留資格は変わりますか? A. いいえ。特定技能1号のまま「在留期間更新許可」で延長されます。2号に合格して初めて2号へ変更します。

Q. 古い受験結果でも使えますか? A. 建設分野は受験日が2025年12月1日以降のスコアレポートのみ対象です。それ以前の結果は対象外です。


出典(一次資料)

※ 本記事は2026年6月時点の情報です。制度は変わる可能性があるため、申請前に必ず出入国在留管理庁・行政書士にご確認ください。

大山 隆弥志UKARU代表 / 建設業界20年 / 特定技能 受入企業当事者

建設業界で20年の現場経験を持ち、数多くの外国人技能実習生の指導にあたってきた。現在はUKARU代表として、建設分野の特定技能試験対策をDXし、外国人が日本で長く活躍できる環境づくりに注力している。

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